
マダム・バタフライ アメリカ 1918年
2009年生田緑地ばら苑に何度も遊びに来てくれるばらの先生がいます。
昔若いときに生田緑地ばら苑においてきてしっまた忘れ物を必死に探しています。
先生が集めた貴重なばらが生田緑地ばら苑には沢山あります。
そうした品種が今のばら苑の宝になっているのですが、永い月日がそうした貴重な品種を埋もれさせて、絶滅の危惧すら感じられました。
昔先生がここに勤めていらしたことを聞き、連絡を取ったところ是非見に行きたいと連絡をいただき、その後何度も遊びに来てくださるようになりました。
「遊びに来て下さる」と書くのは、本来一日来ていただけば何万円もかかる方が、無償で来て下さるので遊びに来るとしか書けません。しかし先生の様子は、昔の恋人に会いに来るような、とてもエネルギッシュで花を眺めている姿は思い出に慕っているのか、私たちを寄せ付けないオーラさえ感じます。
そしてその花について語るときは、熱くその想いを語ってくれます。
先生が手伝ってくださり、今まで特定できなかった、そしてどれほど貴重な品種かも大分分かってきました。今年の秋のうちに特定できなくても、来年の春には今あるアーリーハイブリッドティの品種を特定して、特定できた品種は今年の冬に接木をします。
そしてラ・フランスから始まりオフエリア、シャルル・マルラン、クライスラー・インペリアル、クリムソン・グローリー、ハドリー、マーガレット・マグレディ、ミセス・サン・マグレディ、そして近代のばらの基礎を作ったピースまでの、ばらの歴史を熱く語れるそんなコーナーを作って行きたいと思います。
業者やメディアに踊らされて、新しいばらに走るだけでなく。悠久の時を熱く語ってくれるばらを眺めるのも、ばらを楽しむ素敵な時間になると思います。
そうしたばらの歴史・性格を知ることが、これからばらを栽培していくときのヒントになるのでしょう。売り手の都合や育てる人の勝手な思い入れなど関係なく、ばらたちは自分の特性を発揮して育っていくのです。そして優れた品種は育種家がこの世を去っても永遠に残るのです。