2010年12月7日火曜日

生田緑地ばら苑 オールドガーデンローズの充実

今ある原種コーナーを充実するために。今後、植栽してみたい品種

G ガリカ系
ロサガリカを起源にもつ品種群で、赤ばらの祖と言われています。赤から紫の花色
交配により淡い桃色まで幅広く、古代ローマ時代から記録があります。
<育ててみたい品種>
アランブランシャール 2.5m  強香 中輪 明るい赤八重咲き アーチ
ロサムンデ 2m 中香 中輪 オールドローズの代名詞的存在
エンプレスジョセフィーヌ 2m 強香 中輪 ピンクの外弁が大きく花形は乱れる
ヂュセスドエンテベロ 2.5m 強香  中輪 薄いピンクの花を鈴なりに花をつける 

A アルバ系

栽培の歴史は古く長い年月の間に選抜された品種が今日に至っています。
基本色は白で、淡いピンクの品種も多く、香り高い花を咲かせます。
<育ててみたい品種>
フェリシテパルマンティエ 1.7m 強香 中輪 淡いピンクで中心が濃い
ケーヒギンフォンデンマーク 2m 強香 中輪 (クィーンオブデンマーク)淡いピンクのクォーター咲き。
アルバマキシマ 2.5m 強香 中輪 中心が薄いピンク全体はほとんど白

C ケンティフォリア系

アルバとダマスクが主に関わって形成された系統基本はピンク、花弁数が大変多いことと豊かな香りが特徴。系統が複雑で枝の性質もいろいろです。
<育ててみたい品種>
ラノブレス 2m 強香 中輪 明快なピンクのカップ咲き シュラブ樹形
ファンタンラトゥール 3.5m 強香 中輪 ロゼット咲きの淡いピンク つるばら

D ダマスク系

香料採取のため古くから栽培された品種。基本色はライトピンク、花弁数は半八重から100枚近くの品種まで、シュラブ樹形になる品種が多い。
<育ててみたい品種>
ローズドメイ 2m 強香 中輪 ピンクの平咲き
ローズディベール 2m 強香 中輪 白の八重咲き 棘が少ない
ラビルドブリュッセル 3m 強香 中輪 ピンク アーチ

M モス系

モスは苔を意味します、多くはケンティフォリアの血筋ですが、ダマスクの血を引き継ぐ品種も含まれます。花色も多彩で、香りの強い品種が多く含まれています。
<育ててみたい品種>
サレット 2.5m 強香 中輪 ピンクのロゼット咲き 返咲種
シャポードナポレオン 2.5m 強香 中輪 薄いピンクのロゼット咲き
ヘンリーマーチン 2.5m 強香 中輪 赤から紫 秋にはオレンジの実

Ch チャイナ系

四季咲き性を持つオールドローズの系統です。
<育ててみたい品種>
キャメリアローズ 3m 中香 中輪 庚申ばらの変種 ラベンダーを含むピンク 四季 アーチ
フェレンベルグ 2.5m 中香 中輪 ピンクの房咲き 小型のつるばらとして使用 アーチ

T ティー系

ハイブリッドティの交配親になった品種の多い系統です。アーリーハイブリッドティの中にはティーの面影を残した品種が沢山有ります。
<育ててみたい品種>
デュセスドブラバン 1.2m 強香 薄いピンク 四季
マダムブラビー 1.3m 強香 白の中輪 四季
レディーヒリンドン 1.5m 強香 薄い黄色の中輪 四季
アークデュークジョセフ 1.2m 強香 杏色を含むローズピンク 小型アーチ 四季
マダムジョセフシュワルツ 1.2m 強香 白の中輪 四季

N ノアゼット
ムスクローズとチャイナが交配され、更にティーを掛け合わせて生まれた品種で、モダンローズ誕生以前からある系統です。つる性に伸びること、繰返し咲く品種が多いのが特徴です。
<育ててみたい品種>
マダムアルフレッドキャリエール 5m 中香 中輪 広い壁面 薄いピンク  返咲種
ナローウォーター 4m 中香 中輪 薄いピンク アーチ・壁面  返咲種
クレールジャキエ 3.5m 中香 中輪 アーチ 中心が黄色の白 返咲種

B ブルボン
ロサキネンシスオータムダマスクの自然交雑種と思われる、ブルボン島で19世紀になって発見された系統です。この時代になると花色、香り、樹形などもバラエティーに富んでいます。
<育ててみたい品種>
ラレーヌビクトリア 3m 強香 中輪 ピンクのカップ咲き アーチ 返咲種
ゼフィリーヌドルーアン 3m 強香 中輪 やさしいシェルピンク アーチ・トレリス 返咲種
キャサリンハロック 3m 強香 中輪 濃いローズピンク アーチ・トレリス 返咲種
オノリーヌドブラバン 2m 強香 中輪 赤とピンクのしぼり
他にも沢山ありますが、特にティーとブルボン・ノアゼットは興味があります。

今の時代でも愛されているのは、歴史的な価値だけでなくそれなりの魅力があるからでしょう。
新苗からゆっくり育てて、その魅力を確かめてみたいものです。

3 件のコメント:

  1. ブログ、いつも興味深く拝見しています。
    苑の“原種・オールドローズコーナー”の整備、私も大賛成です!!

    手に入るかどうかは別として、現在の園芸品種の作出に貢献した主な原種は、

    原生地は日本、中国など  ベッド仕立て
    ロサ・ルキアエ(強健なつる性と照葉)6m 弱香 小輪 白、大きめの花芯 赤い実 遅咲き

    中国西南部原産
    ロサ・ギガンテア(ティーの香りと剣弁咲き)2.5m 中香大輪 淡い杏色、すぐに白に近い色 橙の実 

    小アジア、西アジア原産
    ロサ・フェニキア 3m 中香 小輪 白、黄色の芯 暗赤い実

    イラン、イラク、アフガニスタン原産
    ロサ・フォエティダ(黄色バラの基本種)1.2m 弱香 中輪 鮮やかな黄色

    ロサ・フォエティダ・ペルシアーナ(ロサ・フォエティダの枝変わりと考えられている。黄色色素の導入。変色花)1.2m 弱香 中輪 八重咲き

    ロサ・フォエティダ・ビコロル(ロサ・フォエティダの枝変わり。複色花、覆輪、変色花)1.2m 弱香 中輪 表弁は渋みのあるオレンジ朱色、雄しべも朱色、裏弁は黄色という珍しい花色

    行く行くは、苑にまだない日本の野生種も揃えていくと面白いと思います。

     
    主な系統の中で重要と思われるオールドローズは、

    G ガリカ・ローズ(栽培の歴史の中でも、とくに古いとされる。)

    中央・南ヨーロッパ、西アジア原産
    ロサ・ガリカ(基本種)1.2m 中香 中輪 花色はソフトピンクから濃紅までの変異があり、現代に伝えているが、モダンローズまでたどるのは難しい。 橙の実

    D ダマスク・ローズ(2系統がある。)

    原生地は小アジア(推定)
    ロサ・ダマスケーナ(ロサ・ガリカとロサ・フェニキアの自然交雑によって誕生したとされるダマスク系の基本種。ロサ・ダマスケーナ・ビフェラと区別がつかないくらい似ている。)1.6m バラの代表的な強香は現代バラにも多く引き継がれているものの、確実にたどれるものは少ない。中輪 明るいピンク 半八重咲き 赤い実

    原生地は小アジア(推定)
    ロサ・ダマスケーナ・ビフェラ(最も古くから存在したバラの一つで、ロサ・ガリカとロサ・モスカータの自然交雑と考えられている。その特性は子孫のポートランド・ローズやブルボン・ローズを経由して多くの現代バラへと受け継がれている。)1.6m 強香 中輪 花はロサ・ダマスケーナに酷似冴えたピンク 半八重咲き 赤い実 秋に2~3輪返り咲く程度だが、ヨーロッパではチャイナ・ローズが渡欧するまで返り咲くバラは本種しかなかった。

    C ケンティフォリア・ローズ(「ハイブリッド・パーペチュアル」を経て現代バラへと深い影響を残した。) 

    ロサ・ケンティフォリア(基本種とされている。)1.4m 強香 大輪 ピンク カップ咲き

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  2. 来年の新苗で約40株のオールドローズを予定しています。20品種を2株ずつ入れるか、40品種を1株ずつ入れるか思案中。

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  3. 新苗で注文した品種をアップしました。
    2011年5月中旬か6月ごろ生田緑地ばら苑に
    納品されます。

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